iDeCo・つみたて NISA で損する人

iDeCo・つみたてNISAは、利益に対する税金を課されないなど多くの税制優遇があり、ここ数年で利用者が急増しています。

拠出額の所得控除や運用益の非課税など多くのメリットがあり、国の出血大サービスともいえる制度です。

しかし、メリットを活かし切れず、折角のお得な制度を台無しにしてしまっている方が非常に多くいます。

そこで今回は、iDeCo・つみたてNISAで損する人、について解説したいと思います。

会社経営者の方は、さらにお得な制度がここ数年で追加されましたので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

iDeCoで損する人

iDeCoは、老後資金をつくるために2001年にできた確定拠出年金の個人型タイプで、2016年に“イデコ”という愛称がつきました。

拠出時の所得控除運用時の非課税受取時の税制優遇という大きなメリットがあるため、年々利用者が増えています。

非常にお得な制度にも関わらず、なぜ多くの方が損をしてしまっているのでしょうか?

答えは『金融機関に高い手数料を払ってしまっている』からです。

iDeCoのランニングコストは、金融機関により異なるため、金融機関選びがその後の資産運用の運命を大きく左右します。

全てとは言えませんが、一般的に対面型の銀行や証券会社の場合、手数料が高い傾向にあります。

一方、人件費や店舗費用が抑えられるネット証券、特に、SBI証券や楽天証券のiDeCo手数料は業界最安水準

また、ランニングコストだけでなく、選択する商品によっても損する可能性があるので注意が必要です。

価格変動型の投資信託は慎重な商品選びが必要ですが、実は、元本確保型の定期預金や貯蓄性保険も要注意

『元本確保型で損する?』と思われるかもしれませんが、資料をよく読み込むと損するカラクリが書いてあります。

『拠出した全額の元本を保証します』ではなく、『拠出して商品に回した部分の元本は確保します』です。

そのため『元本“保証”型』とは書かず、『元本“確保”型』と書かれているものと思われます。

コストの高い金融機関で定期預金や保険商品を選んでしまうと、リターン以上にコストがかかる『手数料負け』に繋がります。

iDeCoはお得な制度ですが、金融機関をしっかり精査しないと経済的に損するだけでなく、貴重な時間まで失ってしまいますのでご注意ください。

つみたてNISAで損する人

つみたてNISAも、20年もの間、運用益を非課税にしてくれるお得な制度で、2014年にできたNISA制度から派生し、2018年新たにスタートを切りました。

しかし、こちらも利用する金融機関によって、信託報酬という管理コストの高いものが多く散見されます。

対面型の銀行や証券会社が取り扱う商品の中には、2%を超える信託報酬もありますので注意してください。

対面型の金融機関の、収益源だった購入時手数料が、金融庁の肝入りで無料となったため、信託報酬で補っているのでは?という噂も…

ランニングコストとなる、信託報酬が高い商品を選んでしまうと、先程のiDeCo同様『手数料負け』のリスクが高まります。

その点、SBI証券や楽天証券では、つみたてNISAでも信託報酬が非常に安い商品を、数多く取り扱っています。

購入時手数料も資産運用をするうえで要注意ですが、信託報酬は長期で投資するほどパフォーマンスに大きな差が出ます。

iDeCo・つみたてNISAに限らず、資産運用は長期目線で続けていくことが重要なので、運用コストには特に注意を払う必要があります。

知らなきゃ損する中小法人限定のiDeCo+

再びiDeCoの話に戻りますが、2018年から中小法人限定で新たに始まった『iDeCo+(中小事業主掛金納付制度)』は知らなきゃ損する超お得制度です。

詳細は以下の公式サイトで確認できますが、超お得なメリットを2点紹介します。

  1. 会社は全額損金扱いで、1人最大月額22,000円まで役職員のiDeCoとして支給可能。
  2. 支給された個人は所得税も社会保険料も0円で、iDeCoの個人負担を抑えながら運用可能。

iDeCo+は2020年さらに改正され、対象となる中小法人が拡大されたものの、2022年3月末時点でも導入企業は全国で2,687社(https://www.mhlw.go.jp/content/000463291.pdf)。

大雑把な計算になりますが、全国に300万社以上あると言われる中小法人数から考えると、0.09%にも満たない数です。

iDeCo+に似た制度で、企業型DCという制度がもともとありますが、導入までが非常に煩雑で、毎年のメンテナンスとコストが原因で不人気でした。

それを受け導入手続きを簡素化し、コスト0円のiDeCo+というメニューを増やしましたが、3年が経っても未だ導入率0.09%…

前述のiDeCoが持つ3つのメリットだけでもお得ですが、会社経費で拠出でき支給された役職員も、所得税・社会保険料が0円という超お得制度なのに…

普及が進まない大きな要因の1つは【提案してくれる人がいない】からではないかと思います。

企業型DCに比べて手続きが簡素化されたとは言え、会社の申請関係の書類だけで10枚以上あり、さらに役職員ごとに事務負荷が上乗せされます。

企業型DCと違い維持コストが0円で、導入企業に超お得な分、導入サポート側の儲けは期待でません。

企業型DCは多少の儲けが期待されるため、近年、積極的にサポートしている銀行や保険会社の話を聞きます。

しかし、儲けのないiDeCo+となると、積極的に導入サポートをしている銀行などの話は全く聞こえてきません。

コスト0円で手数料収入が見込めないとなると、懐事情が厳しい銀行などから提案させることは今後も期待できません。

仮にサポートしてくれる金融マンがいたとしても、他の金融商品(手数料の高い保険や投資商品)と抱き合わせ販売してくる可能性は高いので注意してください。

導入サポートの相場感は3万円前後と決して高くなく、それ以上に大きなメリットのある超お得な制度なので、まずは公式サイトをチェックしてみてください。

iDeCo・つみたてNISAの利用はSBI証券や楽天証券がおすすめ!

いかがでしたでしょうか。

非常にお得なiDeCo・つみたてNISAで、『元本確保』という表現をはじめリスクが少なそうに謳われている商品であっても要注意です。

ふたを開けたら損しているという方が沢山いますので、既にiDeCo・つみたてNISAを始めている方は、ぜひ一度チェックしてみてください。

もちろん価格変動型の投資信託は、市場環境により資産価値がマイナスになることは日常的に起こります。

大切なことは、『余計なコストを払わず長期積立分散投資をいかに効率よく続けられるか』です。

そもそも、コストの高い金融機関を選んでしまうと、長期になるほど損失が大きくなったり、貴重な時間を失ったりするリスクがあります。

以前ブログでも取り上げました『YouTubeやSNSに溢れる甘い“投資”の誘惑にご用心!悪徳業者の見分け方』https://sub2022.fpgunma-alpla.com/youtube-sns/も参考にしてみてください。

対面型の銀行や証券会社はコストが高く、お得な制度を台無しにするどころか損する可能性を高めてしまうのです

改めて『お勧め金融機関はどこ?』ですが、ズバリ、SBI証券と楽天証券です。

既にネットで多く取り上げられご存知の方も多いと思いますが、現状、ランニングコスト面・商品ラインナップ面で群を抜いて2強です。

長期に低コストで効率よく運用できますので、iDeCo・つみたてNISAをはじめ、資産運用でSBI証券と楽天証券を利用しない手はありません。

まとめ

今回は、絶対的にお得と思われているiDeCo・つみたてNISAでも損をしてしまうケースについて解説をしました。

どちらも非常にお得な制度であることに間違いはありませんが、選択する商品以前に、利用する金融機関によって損する可能性が高まります

今回の記事が、iDeCo・つみたてNISAを運用している方の再点検や、これから始める方の参考となり、皆さんのより豊かで幸せな暮らしに繋がれば幸いです。

これからも、有益な『知らなきゃ損するお金のこと』を、ブログで発信していきますのでご期待ください。

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この記事を書いた人

亀井 貴文のアバター 亀井 貴文 FP・戦略財務・M&Aコンサル

30歳で脱サラして3社を経営しながら18社の顧問FPを担当
【主な資格】◆AFP◆証券外務員一種◆事業承継・M&Aエキスパート◆相続診断士◆公的保険アドバイザー◆1級法人クレジットカード相談士
【過去実績】法人134社・個人1746名にFPサービスをご提供
※令和4年現在まで

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